法人・ビジネス向けレンタルサーバーの基礎知識
レンタルサーバーを法人が利用する時、ウェブサイトだけでなく、多くのメールアドレスの準備や業務システム導入などを考慮する必要があります。
そのため個人で利用するレンタルサーバーに比べ、どのようなサーバーを選択するのか、判断が難しい場合が多いと言えます。
利用用途が明確に決まっていれば、レンタルサーバーを選択することも用意ですが、選択できずに悩んでいる場合は、
- ウェブサイトを複数作成できるサーバー
- メールの管理が可能なサーバー
- 障害に強く表示速度などに難がないサーバー
- セキュリティが充実しているサーバー
- 利用者のサポートが充実しているサーバー
を選択することを推奨します。
上記に当てはまるレンタルサーバーを選択した場合、企業にとって無駄にはなりませんし、継続的に利用し続けることも可能になるからです。
法人・個人のレンタルサーバーは何が違うのか?
法人向けレンタルサーバーと、個人向けのレンタルサーバーでは何が違うのでしょうか。実際のところレンタルサーバー(共用サーバー)において法人・個人で明確な違いはなく、各社によって異なります。
しかし、おすすめの法人向けレンタルサーバーなどを見ると価格が高く、一方個人向けのレンタルサーバーを見ると驚くほど低価格のレンタルサーバーが並んでいます。
レンタルサーバー会社を100社以上掲載し、比較してきた当サイト「サバラボ」の見解と個人・法人の主な違いをご説明していきます。
また、ご注意点として以下で説明するレンタルサーバーは共用サーバーのことを指しています。
サポートの違い
法人向け、個人向けと明確に記載しているレンタルサーバーの場合、個人向けに比べて法人向けの方が手厚いサポートを受けることができる場合が多いと言えます。
例えば、個人向けは「メールでのサポートのみ」、法人向けは「電話サポートとメールサポート」などの違いです。
法人向けのサポートには、
- 24時間365日対応の電話サポート
- サーバーの初期設定サポート
- エンジニアサポート
などのサポートが充実している場合が多いと言えます。
基本機能やスペックの違い
こちらは各社大きく違いますが、個人と法人では以下のような基本機能やスペックが違う場合が多いと言えます。
- ディスク容量の違い
- 1日や月の転送量の違い
- メモリやCPUの違い
- データセンターの違い
- サーバーOSの違い
- Webサーバーの違い
など様々です。
同じレンタルサーバー会社で個人・法人を比較する場合は明確に違いが分かります。
しかし、他社のレンタルサーバーと比較する場合は注意が必要であり、稀に個人向けのレンタルサーバーの方が基本機能やスペックが高い場合があります。
これは、人気があるレンタルサーバーは基本機能やスペックの強化をしているのに対し、昔からあるレンタルサーバーは基本機能がそのままのケースです。
例えば、Aという個人向けのレンタルサーバーではディスク容量が200GBに対し、Bという法人向けのレンタルサーバーでは50GBの場合などが多くあります。
そのため、あくまで同じレンタルサーバー会社で個人・法人を比較した場合、基本機能やスペックが違うと考えておきましょう。
セキュリティの違い
個人向けと法人向けではサーバーのセキュリティが違う場合があり、法人向けの方がセキュリティを重視している傾向にあります。
レンタルサーバーのセキュリティは主に、
- SSL(Webサイトの暗号化)
- ファイヤーオール
- WAF
- マルウェア診断
- IDS/IPS
- Web改ざん検知
- パッチ適用
- メールウィルスチェック・スパムメールフィルタ
- 迷惑メール(スパム)対策
- DoS/DDoS対策
以上のような安全性を守る機能がありますが、個人向けでもSSLやファイアウォール、WAF、IDS、迷惑メール対策なども標準装備してある格安レンタルサーバーも多いです。
そのため、こちらも同じレンタルサーバー会社の個人向けプランと法人向けプランを比較した際の違いだと思っておきましょう。
また、会社のサイトやブログなどのみを運営するや、社員20名以下でメールを利用する場合などは個人向けのセキュリティで十分とも言え、人気があるレンタルサーバーを選択すれば問題ないと言えます。
サーバー稼働率の保証の違い
サーバー稼働率は、サーバーが正常に稼働している割合を計算したものです。
良く記載があるパターンとしては、「稼働率99.99%」などと掲載さています。この稼働率はサーバーの安定性をPRするものですが、困ったことに各社計算方法が多少異なり、かつ年間の稼働率なのか、月間の稼働率なのかでも違います。
そのため、レンタルサーバーを知っている方はあまり稼働率を参考にしていません。
しかし、法人向けで優秀なレンタルサーバーは、その稼働率に保証を付けている場合が多く、その会社が決めた一定の稼働率を満たさなかった場合、保証するという制度です。
(保証内容は基本的には月額料金を支払わなくて良いなどの対応となるケースが一般的です。)
このように法人向けのレンタルサーバーの場合は、よりサーバーの安定性が高く作られていることが一般的で、法人向けサーバーを選ぶ理由の1つとも言えます。
ただ、稼働率く安定している個人向けのレンタルサーバーも多いので、法人だから法人向けサーバーを選ぶべきだとは言えません。
シェアする利用者の違い
個人向けのレンタルサーバーと、法人向けのレンタルサーバーでは利用者が違います。
- 個人向け:個人・個人事業主・法人など
- 法人向け:法人企業が多数
以上のような利用者の分布になるはずです。
レンタルサーバー(共用サーバー)は他人と1台のレンタルサーバーをシェアします。
そのため、他人がサーバーに付加をかけることや、ブラックリストに載るような行為を行った場合、レンタルサーバーに不具合が起こる可能性があり、その1台のサーバーを共用している全員に影響があります。
法人向けのレンタルサーバーは法人企業が多いわけですから、そのリスクを最小限に留めることが可能と言えます。
ただし、個人でも法人向けのレンタルサーバーは利用できないわけではありませんので注意してください。
金額の違い
- サポートの違い
- 基本機能やスペックの違い
- セキュリティの違い
- サーバー稼働率の保証の違い
以上の違いなどによって、個人向けと法人向けのレンタルサーバーでは大きく金額が違います。
ただ、こちらも同じレンタルサーバー会社での違いであり、個人向けの方が安くて機能が充実している場合があるので注意しましょう。
また、中には法人企業なら個人と金銭感覚が違うことから、機能も十分に充実していないにも関わらず、月額費用を高めに設定している場合があるため注意しましょう。
まとめ
法人向けレンタルサーバーと個人向けレンタルサーバーの違いについて説明してきました。
当サイトの見解になりますが、大きな違いとしては「レンタルサーバーの安心感」の違いではないでしょうか。
月額料金も高い法人向けレンタルサーバーは、
- 基本機能やスペックも高い傾向にあり
- セキュリティも充実して
- サーバーの安定性も高く
- 共用で利用している他者も法人企業である
以上の理由で、法人企業を運営している場合なるべく回避できるリスクは回避しておきたいものです。
特に、社内で利用しようと考えているレンタルサーバーなら法人向けのレンタルサーバーを推奨します。
また、会社サイトやサービスサイトなどの作成で利用するのであれば、こちらの「SEO対策におすすめのレンタルサーバー」を推奨します。
さらに、社内データや顧客データなどを扱う場合、サーバーに関する知識がなければ管理運用を行ってくれ、より高スペックのレンタルサーバーを契約できるマネージドプランなどをお勧めします。